現場リポート

現在進行中の現場進捗状況をご紹介

現場リポートでは、現在進行中の工事の様子や進捗状況を随時更新しながらご案内しています。

(静岡県掛川市)龍登院本堂新築工事

当初は250年の歴史がある本堂の耐震補強工事として発願された計画でしたが、調査の結果、補強工事は不可能と判断。本堂、位牌堂、開山堂を新たに新築する工事となりました。

竣工予定日:平成25年9月末日
延床面積:151.8坪
設計:叶尠企画設計


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刻み、着々と

2012.6.22更新

梅雨空の中、現場では雨にも負けず基礎工事が進行中です。

しかしながら、工事は現場だけでは完結しません。

今回は社寺工場での大工衆の奮闘振りを紹介します。

 

大船渡より運ばれた松丸太も手が加えられました。

先ずは皮むき作業です。

この作業は、今年加納棟梁に弟子入りした若手が担います。

経験豊富なベテラン勢は化粧材の刻みを。

上の写真は柱の下部、土台と接合する仕口と呼ばれる箇所です。

仮に節の有無や色合い等の見え掛りの良し悪しと、仕口や継手の出来具合を天秤に掛けるとするならば、

仕口や継手の出来具合に軍配が上がると個人的には思います。

 

それはともかく、ベテランと若手が刻みに掛かるので、采配を振るう加納棟梁の仕事量も膨大です。

 

絶えず全ての作業に気を配り、次の作業の準備に取り掛かる様は、棟梁としての責務を無言にて語りかけてくるようでもあります。

このように、現場で目にする工事の進行具合と同じ以上の作業が、社寺工場にて同時に行われています。

この作業は夏まで続けられる予定です。


先人の知恵に学ぶ

2012.5.31更新

新緑の息吹を感じる頃、龍登院の周りでは茶摘の風景が日常となりました。

茶畑の鮮やかな新芽が移り変わる様など

普段見慣れぬ風景に新鮮な感動を覚えます。

 

地鎮式が滞り無く終了すると地盤改良が行われました。

今工事では天然砕石パイルという工法にて地盤を改良します。

地盤に孔を掘り、その孔に砕石を詰め込み石柱を形成する工法です。

境内に井戸もあり、セメントや鉄などで土地を汚染しないこの工法が採用されました。

施工の過程は別として、石を利用して地盤を改良する工法は昔から行われていたようです。

上の写真は以前施工させて頂いた、虎渓山(岐阜県多治見市)の発掘調査の模様です。

柱の下の周りは石と土で押し固めた跡が発掘されました。

現在も尚、先人の知恵が形を変えて受け継がれています。

 

 


起工・地鎮式

2012.4.26更新

平成24年4月26日。

工事着手後の最初の式典となる起工・地鎮式が厳粛に執り行われました。

生憎の空模様となりましたが、御住職と出席された実行委員の方々にとっては待ちに待った日の筈です。

今建立に掛ける多くの方の思いをこの地鎮式から感じ取ると同時に、

我々造り手に対する大きな期待を改めて認識する機会となりました。

御寺にとっては三百年に一度あるかないかの大事業です。

又、多くの方々の協力と理解がなければこの大事業は成し得ません。

工事の過程を多くの方に見て頂けるこの様な式典は、我々造り手にとっても重要な意味を持ちます。

期待に応える為、「末代に残る価値ある仕事」を常に心掛け、事に当たらねばと思うのです。


解体工事

2012.4.25更新

平成24年4月初旬。

250年の歴史に幕を下ろす日が来ました。

解体工事の始まりです。

檀家様方にとっては、長年親しんだ御堂の解体は寂しいものがあるでしょう。

長い歴史を刻んだ建物の解体は、一抹の寂寥感を覚えます。

作業もただ解体するのではなく、構造体に再利用する部材もあるので慎重且つ丁寧、そして安全に進めます。

解体業者の方々の苦労も並大抵ではありません。

解体作業中に、長年耐え抜いた歴史の証人も垣間見る事ができました。

欅の柱が床下で湾曲しています。

よくぞここまで耐え抜いたと心の中で手を合わしました。

こうして御堂の解体工事は完了しましたが、全てが無くなった訳ではありません。

ある部材は形を変えて新たに命を吹き込まれ、またある部材は境内の景観を担う役目が与えられるでしょう。


解体の前に

2012.4.24更新

平成24年3月。

新緑の息吹を感じる頃。

4月からの解体工事の前に、再利用する部材の活かし取りを行いました。

先人の偉業を称えると共に、檀家様方には今までの御堂に対する思い出を残したいと思う御住職のご配慮です。

加納棟梁指示の元、加子母との気候の違いに戸惑いつつも手際よく作業が行われました。

作業の過程で、このような大きな部材も取り外す事に。

作業の手順を見誤ると大事故に直結します。

加納棟梁の指示も一段と厳しいものとなりましたが、部材を傷つける事なく作業完了。

取り外した部材は大切に梱包して再び刻み直し、新たな御堂の一部として生まれ変わります。

この御堂はおよそ250年の歴史があるそうです。

当時は木材を調達するにも大変な労力を費やした事でしょう。

又、この御堂を維持していく為に何度も補修した痕跡を発見しました。

当時の造り手と、この御堂を見守ってきた方々の思いを顧みて今建立を成し遂げねばなりません。


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